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2005年11月 8日 (火)

死んでいる  ジム・クレイス

 白水社の宣伝文が印象に残ってずっと読みたかった一冊です。「中年の学者夫婦が人気のない海岸で死体で発見された。あろう事か一糸まとわぬ姿で。そして物語はそこから彼らの生前へさかのぼっていく。なぜこの夫婦は死ななければならなかったのか」うろ覚えなので間違いだらけとは思うんですが、こんな感じでした。

 無神論者のクレイスが自身の父親の死に対して抱いた喪失感を埋めるべく書いた小説なのだそうです。「なぜ死ななければならなかったのか」とは、死者が出たとき遺族は誰しもそう思います。年に不足はなくてさえ。そして解答は出せぬまでもその問いにおのおの決着をつけないといけない。クレイスの決着は「生きていた。いかなる人生であろうとも彼らは生きていた。」だったと私は思いました、全くの私見ですが(そもそもこの解釈は人によって違うというのがこの本の良いところですし)。

 開発の為にもうじき消える海岸、通称「バリトン湾」でこの夫婦は倒れるのですが、この人気のない地味な海岸の描写が美しいんです。クレイスなので美しい描写ばかりではもちろん無いです。腐乱の描写はグロテスクでちょっと吐き気もしましたが、極彩色の腐乱ではありません。色の褪せかかった、白黒に近い描写です。湿っぽいのが怖いのですが。バリトン湾の描写も褪せた暗さがあります。でも印象的な色もあります。夫妻の娘が死体置き場を巡るシーン。この死体置き場の白。冷たくて透き通っていて、静かで。私はこの場面で「魔笛」の火の試練と水の試練を連想してしまいました。死体から死体へ移る姿が巡礼の様に見えてしまって。この譬えを作者がどう思うかちょっと不安ですが。

 声高に主張する訳ではないけれど作者の思いは伝わる、そう言う作品でした。良かったですよ、この本、ほんとに。

死んでいる  ジム・クレイス著  白水社

 日曜日からのレニングラードぐるぐる事件で完全に脳内がピルエットを始めてしまったぽんずです。(笑)
そのせいかタイプミスがすごくてやむなくブログ開設当初に下書きしたままお蔵入りさせてた、出来のわるーーい読書感想をアップしました。^_^;
今の私にはほんとにアリナミンVが必要かもしれません(爆)

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