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2006年2月 1日 (水)

下妻物語 嶽本野ばら

 初めて読んだ嶽本作品。評判は処々方々で聞いていたのである意味安心して読んでいたのですが、ここまで芯の通った話とは。

 まず初っぱなから始まる竜ヶ崎さんのロリータ宣言。ロリータの定義から始まって、その世界に身を投じる決意と、むべなるかなと思わせる彼女の冷徹な論理を垣間見せる小学時代のエピソード。
 ロリータはロココを極めるものというこのくだり、臨終に「やっと死んだか」とルイ15世に言われてしまってちょっと気の毒に思っていたポンパドゥール夫人が、我が道を思うまま突き進めて本懐、死後の国王の一言ごとき関係なかったか!と思えてしまう説得力。
 また読みながら「陀羅尼錠」は関西圏!関東以北は「百草丸!(多分嘘)」などとついつられてツッコミを入れてしまうこのノリの良さ。でもこの本の神髄はそこではない。

 この竜ヶ崎さんと(怖くて呼び捨てに出来ない)イチゴちゃん(こちらも出来ればこの呼び名は避けたい)二人の、周囲はそれを何と呼ぼうと我が道を行く、自分の決めた筋を通す姿を描く、全編通じてのすっきりしたテンポと爽快感。小さな逸話の数々が、ぶっ飛んでいるのに破綻もしないし未消化もない見事さ。

 漱石の「草枕」ではありませんが、とかくこの世はに人の世は生き住みにくい。特に筋を一本ぴしっと通している人間、特にそれが16才のお嬢ちゃん達だと余計に。周囲の人間はそう言う人を寄ってたかって潰しにかかる場合が多々あります。潰しにかかった人もひょっとしたら昔は筋があったのにいつの間にか潰された人なのかもしれません。(ミコ先輩から少しそう言う気配を読みとるのは考えすぎでしょうか?)

 自分の筋をきちっと持って、相手の領分を侵さず、なれ合いにならない、もの凄すぎる二人を主人公に設定した所で、この物語は筋を通そうとしてもがいている若い人に対するオマージュであり、筋はない(昔はあった人も)、でも筋のある人間になりたかった大人にそれでもエールを送る本なのだと私は勝手に解釈致しました。

 ナボコフがドロレス・ヘイズを世に送り出して半世紀。日本に花咲いたロリータ文化は、木偶のようにしか描かれなかった本家ロリータとは正反対の、自己を確立するための文化だったのですねえ。

「下妻物語」嶽本野ばら著 小学館文庫

 ちょっと気を許すとすぐ引用間違えちゃって。
 我ながら情けな~

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