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2008年3月23日 (日)

後期高齢者医療制度(更なる追記あり)

 06年に制度ができた頃から気になっていたのですが、なんやかやで全く追うことが出来ず、我が家の後期高齢者にお知らせが来てから押っ取り刀(かつ泥縄)で調べてみたら、これがとんでもない制度で、本気でへこんでしまいました(すみません。故に毒を吐きます。ごめんなさい)。

 この制度は大雑把に言えば、75才以上の高齢者(と特定疾患を持つ65才以上の人)は、国保の人も、被用者保険の人も全て都道府県単位の広域連合が管理する「老人保健制度」に移り、その保険制度は公費負担が5割、他の保険からの保険料が4割、被保険者の負担額が1割で運営され、2年ごとに見直され絶対に赤字を許さずに運営される(赤字になったらペナルティさえある)ということが判りました。

 増え続ける医療費の抑制と若年層の不公平感の緩和という目的で、まずは75才以上全員から保険料徴収。今まで扶養家族だった人からも払わせます。年金から天引きなので取り落としなし(応分負担ならやむを得ないかと馬鹿な私は最初思いました)。

 自分がどれだけ医療費を使ったか自覚して貰うために窓口で2割自己負担してね(これは痛いぞ。でも参院戦敗北を受けて等分今のまま、という減免措置ができたっけ)。

 でも、介護保険料と老人医療保険料が年金額の1/2を超える人から天引きすると悪人に見えてしまうので、そういう人達は各自窓口に振り込みに来て下さい。だけど一年滞納したら保険証を返してね(ここで撃沈。年金の1/2を超える金額、いや、保険料だけで1/2になってしまう様な世帯に手間暇掛けさせて払い込みに来いって一体・・・)(これも減免措置はあるのだ。半年は無料、もう半年は半額。満額徴収は多分総選挙後)。

 という、これだけでも恐ろしいのですが、更なる恐ろしさが待っていました。

 診療報酬の定額制(保険から医療機関に支払われる金額が一ヶ月6000円の定額)を導入するのだそうです。保険料や自己負担分は去年暫く減免される事になりましたが、こちらは4月1日から実施されます。
 この制度に対する日本医師会の考え方という文書では癌や脳卒中、心臓疾患などの急性期治療は出来高払いを求めているところを見ると(8ページ)、75才を過ぎると手術もしてもらえない状態になる可能性もある訳です。何故ならば

 それはだんだん年取ってくると今おっしゃったようにみとりの問題、最後のケアの問題、こういうのがありますから、そういうものを全体的に入れたときにより良い方向で、連続性を保ちながらもちろんやりますよ、この年代、これで切ってあなたは駄目だと、そういうことはいたしません。しかし、その年代に合わせた対応をやりたいという、そういう大きな目標を持って後期高齢者の医療制度を入れたということでありますから

平成19年10月25日 参議院厚生労働委員会 「196」舛添大臣の答弁

 これにもあるように、この制度は老人の「みとり」に焦点を当てた制度の様です。舛添大臣は今年の3月にも健診の対象から、なぜ75歳以上を外すのかと聞かれて「残存能力を生かす」と答弁して居ますので、本当にそう考えているのでしょう。

「みとり」に重点を置くと言うことは、スキルス癌で腫瘍も9センチ近かったにも関わらず転移無しでピンシャンしているうちの母の場合は果たしてどうなっていたのでしょう。癌は開けてみないと判らない部分がかなりあるからです。もし手術を受けなければ多分今頃は生きていませんし、包括診療報酬によって抗生剤使用などに縛りがかかった場合は術後微熱が出た母は、手術の大成功にも関わらず今ほど快復できなかった可能性さえあります。

 75才を過ぎたら静かに死ぬのが当たり前なのでしょうか。もっと気の毒なのは人工透析を受ける人です。人工透析患者は65才からこの制度に組み込まれるため、きちんとしたケアが受けられない可能性さえあるようです。障害者や寝たきりの人も65才からだそうです。
この制度が実施されたら、その為に死者がでるのではと本気で心配になりました。あり得ないでしょう、こんな制度。75過ぎたら、病気持ちは繰り上げて65才から「みとり」だなんて。戦時中ですか?楢山節考ですか?

 社会補償費を2200億円削減する為やむを得ずと言ってますけど、道路特定財源は59兆円、外国為替特別会計は17兆円で、毎年の金利が3.5兆円(これで米国債の1/4を買っているそうです)。あまりにもアンバランスだと思うのは私だけでしょうか。

 しかも、そもそも老人医療費の伸び率予測が過大になされており、実際の伸び率を考えると本当に医療費を削減しないと制度が行き詰まるという国の主張そのものに疑問符がついています。(神戸市東灘区医師会答申書第二部より「1. 高齢者医療制度が出された背景について」)

 もう一つ政府管掌保険の放漫運営による保険財源の逼迫って、ありましたよね。
 


 追記です
あんまり悲観的な事を書くのも気が引けましたが、この制度が真に恐ろしくなるのは減免措置もなくなり、赤字かどうかの見直しをする二年後だと思います。その時には主治医制度もしっかり制度化されていたりしたら、悪夢です。
ちなみにこの保険制度により、国の支出だけは年々減っていくのだそうです。

注 主治医制度とは

 被保険者は主治医を登録し、いつもその医師に診察して貰う。一度その制度になると変更するのは難しい。この場合診療報酬は一ヶ月単位の定額制。主治医以外の科や病院で診察を受けるには主治医から紹介状を書いて貰う。高齢者のフリーアクセスを奪うものと批判された。当初は強制実施の予定だったが主治医になれる登録医が少なかったため完全実施には到れなかった模様。現在は各医師会の通達で実施するかしないかが決められるらしいが、山形県医師会など複数の医師会が問題が多すぎる制度として実施を見送りした。ただ積極導入を図る医師会もあるかもしれない。そして厚労省が言うように出来高と定額を自由に選べるかは疑問。何故なら自由に選べるとは何処にも書かれていないとのこと。


 追記2 定額診療報酬でどこまで見てもらえるか

診療報酬は月6000円(一つの医療機関で。これを請求されてしまうと他の医療機関へ仮に行けたとしてもこの額より低い医療(2千数百円)しか受けられない)。この金額で具体的にどの程度の治療が受けられるのか素人には判りづらく困っていたところ、JanJan news  大竹進氏の3/29日の記事「スタート間近の後期高齢者医療制度-低い診療報酬で医療崩壊が加速?」に詳しくでていました。
以下一部を引用します。

06年社会医療診療行為別調査2)によれば、包括項目の医療費合計は7,716円(△27%)であり、肺炎など急性疾患や糖尿病の服薬管理の患者は、検査・レントゲンなど平均水準以上の医療費が必要で、6,000円は極めて低い水準にある。

 どうも患者の病状が急変した場合には対処できないみたいですね。ほとんど見殺しに近いのではないでしょうか。
取り敢えず大病をしないように気をつけて、この仕組みの撤回を待つということでしょうか。  持病のある人は医師会に問い合わせて相手がなんと言おうと主治医になれる登録医は避けましょう。 

 そして篤い病気で長期入院中の高齢者の方々は、残念ながら三ヶ月過ぎると転院しても医療費総額を抑えられてしまいます。はみ出た部分は運が良ければ全額自己負担かもしれません。悪ければ退院して介護地獄になってしまいます。それまでにこの制度がひっくり返る政局の転換を願って止みません。なんとか生き延びて下さい。


追記3  「みとり(終末ケア)」重視のどこがいけないの?とお考えの方に

 みとり医療、終末緩和ケアを広く実施することには私も異存はありません。問題はこの制度の目的がみとりケアの充実とはほど遠く、ただ医療費を抑制する事のみを主眼においたものであることが問題なのです。
その実現の為に厚労省は終末ケアに関するアンケート結果を曲げ(JANJAN 後期高齢者医療制度は「団塊うば捨て山」(3)ミスリードされた終末期医療の議論)、高齢者の終末医療に莫大な金額がかかるからそれを防ぐためと極端な例をだし(169参議院厚生労働委員会3号 321発言 発言者小池晃議員)、終末期を自宅で迎えさせ(リンク)るのです。これにより病院死亡時での診療報酬10万円を削る事ができるのです。老人のみの世帯が全高齢者世帯の半分を超える現状の中で。

 保険医団体連合会の声明も問題点について色々書かれています。

山形県医師会が導入拒否をした記事

 小池議員の反対討論

 阿部知子議員の06年厚生労働委員会強行採決時のメルマガ

 神戸市東灘区医師会の後期高齢者医療制度についての答申書(PDF)←これは判りやすいです。またこのサイトの「75 歳を迎えられる皆様へ」はこの制度に入った人がどうなるかが判りやすく書かれています。

 4月13日に放送された「報道2001」を見ての感想記事です。

 カナダde日本語「4・15ショックが広がっている: 後期高齢者医療制度(長寿医療制度)の廃止を!」にTBさせて頂きます。

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コメント

年金からですかあ。。。年金もらえない人は、どうするのだろうか。。シビアだああ。。

JohnClark 様

 年金額が年18万円以下の人は自分で振り込みに行かなければならないそうです。
年金もなくて資産もない人は生活保護になると厚生労働委員会で言質を取りましたが、生活保護は各自治体ですしね。保護が必要な世帯全てに届くとはちょっと思えなくて。
どうにかこうにか自力でやってきた人がこれで一挙に崩れそうで・・・。
でもこの「定額報酬制」って、マジで重特高齢者は門前払いをされるようなシロモノみたいですよ。
開業医のブログで「高齢者は受け入れられない」ってありましたから。

「定額報酬制」ですが、来月の12日に、お医者さんの集まる会で、医者の立場からの意見を、何気に聞いてみます。答えが、出るかは、別ですが。。。

高齢になれば体力も落ち、病気にもかかりやすくなるのに、
後期高齢者医療制度なる法律をつくり、
高齢者から金をまきあげて、あげくの果ては
払えなければ、医療も受けられないなどと、ヒドイことを
するものです。年金制度だってがたがたですし、官僚、
政治家はいったい何をしているのでしょう。
私達の血税を無駄使いして。

JohnClark 様

>>何気に聞いてみます。答えが、出るかは、別ですが。。。
 おお、お願いします。
今日の朝日に医療機関ごとに月6000円とあったのですが、細かい所は判らなくて。。。


こもも様

 原案を作った厚生省は何を考えているのか、真剣に悩みましたよ。だっていずれ自分たちもそうなるのに何故?と。
今だけ高齢者を早死にさせれば年金支給額が減ると考えているのではないかとさえ思ってしまいました。

>>私達の血税を無駄使いして。
 ですよね。
医療費だってトンデモな設定があるのですよ。米国製の医療用具、本国の値段の数倍なのだそうです。年寄りだけが医療費を押し上げている訳ではないと思うのに。ヒドイものです。

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