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2008年9月13日 (土)

スカイ・クロラは買いです

 『スカイ・クロラ』観てきました。地獄の前半も含めて私には買いでした。

 前半は死ぬほど退屈です。同じ背景が何度も何度も繰り返し、何を狙ってそうしたかは判るけれど、その事実についてはおくびにも出してこないので、脳味噌が途中から悲鳴を上げ始めました。
また芝居がかったしゃべり方も辛い。ど下手な学生劇団がシェークスピアのテンペストか何かを小難しく仕立てた感じ。何なんだ、この棒読みは!と叫びそう。
一番辛いのは登場人物の置かれた状況(勿論原作なんて読んでない)。明日の事が全く考えられない上に、今がどうなっているかもあやふやな(繰り返しの情景はシュールでっせ)状況。これで心が腐っていかなかったら人間ではないという状態が延々と繰り広げられる訳です。だからこれは映画館で観ないと挫折します。映画館に閉じこめられていても、空があれ程美しくなかったら脱走していたかも。側の人は携帯に見入ってました。退屈と言うより防御本能ですね(汗)。

 そして映画は唐突に状況説明が入り、主人公はとある感慨を口にしながら敵機に対峙しに行くのです。その頃には上に書いた手法で登場人物達の境涯にかなり引きずり込まれているので、唐突な割には違和感は少ないです。単に思考力を奪われていただけかも知れませんけれど。

 結局押井守が言いたかったことが判ってきたのが終了二時間後。言いたいことも現状認識も(押井監督だと思うのだけれど、ベネチアに出品する日本の3作品について「老人と子供ばかりで大人がいないのは象徴的」と言っていた筈)、ありがちな上から目線でもないし、自分の夢想を理想像として押しつける類のものではないので、へぇぇ、やるじゃない、と思ってしまいました。
主人公達を遠くから見守る大人達が出ているのも私は好ましかったです。あまりにもこっそりで、あまりにも遠くからの感はありますが、押井監督自身が今の社会に対する責任放棄をしていない様に思えますし(言いたいことはいうけど、自分は関係ないって人多いですからね)。

 日本よりは遥に子供の人権に大人として目を光らせている国からは、この周りの無関心は理解しにくいかもと思ったんですが、監督の言うように「子供が戦争をさせられている事実はある」し、均衡の狭間に閉じこめられ(必要悪、仕方ないという言われ方をされる訳です)、未来を描くことも、それに必要なロールモデルを見つける事も不可能な子供達が存在するのも全くの事実である事を考えれば、極めてグローバルな問題といえる訳です。また意味の見つからない(あるいは見つけにくい)日常を生きる者への応援歌と捉えれば、万人にに対する励ましとしても観ることができるでしょう。
つまり結構普遍的なんです。そして視野も予想していたより広い。そして誰が観ても意味が判る。という事で私は買いだと思いました。

 ただ私としてはこの作品の中のキルドレ達が置かれた状況は、人間の根元を崩すような状態であり、これを敷衍して若者にメッセージを託すならこの設定に対して一片のの批判も出さなかったのはちょっとどうかと思います。励ます為に手足を切っちゃった認識だけはしてもらわないと、みたいな。

 最後に、やっぱり絵が素晴らしいです。あの海、あの空、あの草原。キルドレが崩れていかないのはあの景色があるからかも。海に墜落するシーン(場面的には何ですけど)の海水の描写はすごかった。あの透明感、美しすぎる(涙)。

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