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2009年4月 2日 (木)

芸術家達にお茶を

 二十数年前の楽屋裏リポート第二弾。

 日本茶紅茶おコーヒー、抹茶にこぶ茶(誰かがそう言った)まで取り揃え、演奏者をお待ち申し上げていた「市民コンサート(旧労音)」。その会員で楽屋係ではお茶くみ&雑用係ボランティアだった若き日のワタクシ。
これだけバラエティ豊かに揃えていても、需要が多かったのは圧倒的に紅茶。招聘アーティストが東欧方面だともう紅茶オンリーでございました。

 一番凄かったのは「ドレスデン国立歌劇場室内オーケストラ」

 小さなポットでは間に合わないのは明白だったので(オケですものね)、大型エアポットに紅茶を入れ、もう一つのポットに調節用の白湯を入れて用意しておいたのですが、

「あっっっっ」

という間に飲みきられてしまい、大慌てでポットをかき集め、最終的には確か4~5個のポットをフル回転させ、リハーサルと休憩時間中お茶を供し続けたのでありました。
とんでもない分量でした。数人がかりで殺気だってお湯を沸かし続け、お茶を淹れ続けましたもの。

それでも淹れたって淹れたってまるで追いつかない。回収したポットの中にお茶が残っているなんて事はまず無かったです。そんな修羅場の中で団員さんが気軽に質問をされる訳です。

英語で。

間もなく楽屋係は全員自爆自壊状態となりました(爆)


 指揮者の若杉弘氏もたまたま付き添いとして同行してらして、給湯室の入り口でどなたかと打ち合わせをしていたのですが、すれ違いざまにサインを頼むとか、にこにこ笑ってみるとかそんな状況ではなく、思いっきり睨み付けました、私(笑)
だってポット三つも抱えて小走りで出入りしているのに、せまい出入り口に立ち塞がれたのでは邪魔で邪魔で。今なら間違いなくこう言ったと・・・。

「くーき読めっ」

 即読み取って頂いた記憶がうっすらと残っております(汗)

 あの時のフル回転の給湯器と薬缶、そして紅茶を満たしたポット。後もたまに夢に悪夢として登場しました。つまりは人生で一番紅茶を淹れた日なのでありました。


 次に大人数だったのは「マイヤ・プリセツカヤとボリショイバレエ団」の皆様方。

 団員の他に、多分超エリートと思われる日本語ぺらぺらの若い女性(いい人だった)や、寡黙なおじさん数名(監視役という噂、壁崩壊前ですから)も含む大所帯だったので、楽屋係の人数は何時になく多めでお出迎えしたのでありました。

 さてワタクシ、なんとプリセツカヤさんに差し上げるお紅茶を淹れたのでございますよ。勿論お部屋へお持ちしたのは私ではございません。残念ながらこの時は清水氏の時みたいに「あなた、お願い」とは言われませんでしたので(笑)

 団員の方々はお紅茶片手にささっと楽屋に。
私たちは衣装係のおばさん達(5~8人位だった記憶が)の楽屋にお茶を運んだり(ちくちく縫ってました)、通訳さんに話しかけて楽しくおしゃべりしたりと、楽勝ムードだったのでありました。
そんな状態だったので、今回我々は廊下を通る若い男性ダンサーとにっこり微笑み合う余裕もあったのでありました(女性は殆ど部屋から出てこなかった)。
一体団員方は楽屋からあまりお出にならなかったのに、この方ずっとお散歩されてました。楽屋係一同がおしゃべりしているところに10回位通りがかっていましたから。
それもどうした理由か謎なのですが、腰にバスタオル一枚巻き付けただけという格好で(汗)
さすがに7回超えたあたりから、何故この人はこんな格好でここを通るのか?という疑問が皆の頭に浮かびましたが、結論が出る前に姿が見えなくなったのでありました。

 そうしたら、そうしたらお風呂場から悲鳴が聞こえたわけです(爆)

 そして運悪くお風呂の一番近くに私が居たわけです。
だから私たちが駆けつけたとき、先頭に居たのは当時はうら若かった私だったのです。

 私が救出に入らせていただきました。念のため「入ります」と大声で叫んでから。

 もうもうたる湯気の中に立ちすくんでいたのは先程のバスタオル氏(勿論バスタオル付き)。

 一瞬どんな大惨事が起こったのかと身構えたのですが、良く見ると湯船に熱湯がほとばしり出て止まらなくなっていただけでした。私が一秒で止めました。
更に暫くして駆けつけた会館の事務の方が「これをやっちゃ駄目だって、さっきあれ程教えたのに~」とため息混じりに仰る様な、とっても些細な出来事なのでありました。
悲鳴さえなければ(爆)  

 あの方は今どうしていらっしゃるのでしょう。有名になっているかもしれません。踊りはさすがに素晴らしかったですから。でもあの騒ぎで名前を忘れてしまって・・・。
以来あの人は私の中で「お湯も止められなかったボリショイバレエのバスタオルおにーさん」と記憶されたのでありました。お気の毒に(爆)


 他にも色々あったのですが、個人的に印象深いのはピアニストの前橋由子さんでした。お姉様の汀子さんとの演奏会でいらっしゃいました。
出演者なのに楽屋係を手伝ってくださって、まだ慣れない(しかもこの時は私ともう一人位だった)私は本当に楽をさせて頂きました。その時のおしゃべりも楽しかったです。それなのに別れ際には「お世話になりました」などと言って頂いて。こちらの方がお世話になったのに。

 由子さんの演奏は柔らかく暖かみのある音で、それでいながら構造がくっきり判る緻密な演奏で、とても素晴らしいものでした。私はこの人の弾くベートーヴェンとモーツァルトのソロを是非聴いてみたいと思い、いつかチャンスがあったらリサイタルを聴きに行こうとその後もずっと思っていました。
だから突然の訃報を新聞で知った時には、思わず泣いてしまいました。
演奏家としても、人間としても、本当に良い方でした。こうして思い出したときに、元気で演奏して下さっていたらどんなに良かったかと。

早いようで、短いようで、それでも月日は確実に流れていくのですね。

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コメント

指揮者の若杉弘さんに、メンチ切っていたとは。
やるなあ(*^-^)

このころに、コップ一杯分でも、60秒でお湯が沸く、電気ケトルが、あれば良かったですね。

ティファール(電気ケトル)
http://www.t-fal.co.jp/tefal/products/category/index_400.asp

JohnClark様

 
>やるなあ(*^-^)
 他の行動を取れる余裕がなかったんですって(笑)


>コップ一杯分でも、60秒でお湯が沸く
 
 それでは間に合いません(笑)
何人いたのか忘れましたが、30人以上は居たような。
その人たちが何杯もおかわりしていたのですから(笑)
結局どれだけお茶を淹れたんだろう(笑)

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