いらっしゃいませ

最近のトラックバック

無料ブログはココログ

« 古式ゆかしい我が家です | トップページ | 大震災 »

2011年3月 3日 (木)

Oさんインタビューの源流(社会ネタ)

 昨日お友達のtakoさん(リンク)が教えてくれたブログ「漂流生活的看護記録」の記事『危機介入」(リンク
クライストチャーチ大地震で重傷を負った方へのフジテレビ「とくダネ!」の無神経なインタビューが、彼に与えるであろう深刻な影響について専門家の立場から語られていた。
このインタビューについてはジャーナリストからは擁護の声が上がっている。
ニューズウィーク日本版編集部長岡義博氏『奥田君インタビューはそんなにひどくない 』(リンク

 長岡氏はその記事の中で「取材のため病院に無理に侵入しようとした日本人ジャーナリスト2人が逮捕された」という現地報道について、「スクープを「抜かれた」社が、必死になって抜かれたネタをフォローするのは当然だ」とも書いている。

 私はここを読んでその昔平塚らいてうが事実婚相手の奥村博史の子を出産した時の出来事を思い出した。
取材一切お断りだったにも関わらず、何処から院内に忍び込んだのか病室に新聞記者が入り込み、まだ産褥の床にあるらいてうに
「私生児を産んだ感想はどうですか」としつこく何度も訊いたというのだ。

 その文はらいてうの当時の女性秘書の回想で、その秘書は
「畳の上に土足のまま上がり込み」と記者の不作法ぶりを生々しく書いている(当時の病室は畳敷きだったらしい)
今も昔も無断で病室に押し入るのは犯罪だ。だから見知らぬ他人に病床に踏み込まれる心配は普通はないにも関わらず。


 人間は自分にとって不都合なものを自分から完全に切り離すことで安心を得るものだ。

犯罪者は犯罪者であり、私たちのような普通の人間とは違う。

私たちの社会制度に異を唱える様な人物(特に女性、大正時代ですからね)は、我々社会の成員とは違う。

 こう考え、対象と自分たちを切り離せばその影響が自分たちに及ばないと。
そして社会や法律は、普通の、まともな『我々』が作ったものであり、我々だけに及ぶものだと考えと、上の切り離しがセットになったとしたら。

女性の権利を訴え、結婚制度、当時の社会制度そのものを批判したらいてうは、記者前触れもなく記者に病室に踏まれた。それも土足で。
記者にとって私生児を生んだ女は「我々」ではなく守る必要はなかったのではないか。犯罪者ならいわずもがなと思う。

 また私たち人間は自分たちに敵対する(と私たちが勝手に見なす)相手だけではなく、災難や苦難にあった人達をも自分たちとは違っていたからああなったと思い、そう考えて安心する。
さすがに最近はあまり聞かれなくなったが、事件の被害者に対して
「ごく普通の真面目な人だったので、こんな事件に巻き込まれて驚いている」というご近所や職場の感想が昔は常套句のように繰り返されていた。酷い仕打ちの果ての怨恨による殺人ならその感想も不可能ではないが、無差別、通りすがりの事件に巻き込まれた被害者に対してもこの言葉はもれなく発せられていた。もしかすると偶発性に対する恐怖心から、普通の事件より一層そう言われたのかも知れない。

そして記者が病院に忍び込み、体と心に甚大な傷を負っている人物に突撃取材をかけようとするのはスクープを抜かれたためだけではなく、普通の人には憚られる行為を取材と称して敢えて行い「被害者はあなた方とは違う守られていない人達なのだ」とはっきり見せることによって、情報の受け手に安心(それも根拠のない)を売りさばいているのではないか。だからどんなに非難されても、この手の手法は消えて無くならないのではないか。

 「危機介入」は、被害者に対して気配りの行き届いたBBC番組について述べた後で

わたしもアルゼンチンのTV番組である事件の犯人(とされている人物)を「セニョール」と呼び「回答を誘導したり名誉を傷つけるおそれがあるなど、質問が不適切であると思われたらすぐ言ってください、エントレビスタ(インタビュー)はそこで終わらせます」と、聞くアナウンサーを見たことがある。多くの日本人が発展途上国の詰め合わせだと思っているようなラテンアメリカの国の報道ですら、その程度の良識は弁えている。

 と書かれて締めくくられている。

 犯罪者に対しても自分たちが求めるのと同じ気配りで接するのは、犯罪者の人権の為ばかりでなく、災難にあったとき、事件の被害者になったとき、私たちはその人達を自分たちと違うものとして社会の枠外に追いやったりしない、私たちと同じ恩恵の中にいてもらうというシグナルを発することで、誰も疎外することなく事件や事故に対する不安感を減らそうと言う社会の知恵ではなかろうか。

« 古式ゆかしい我が家です | トップページ | 大震災 »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/140030/51023893

この記事へのトラックバック一覧です: Oさんインタビューの源流(社会ネタ):

« 古式ゆかしい我が家です | トップページ | 大震災 »

フォト

ぽんずの風景

  • 図書館の桜
     携帯で撮った写真です。 見事なまでのピンぼけ(とほほ)。 ご感想などおありでしたら 掲示板へどうぞ。

にゃんこ

  • 爆睡
    うちの故猫です。 可愛いと言って~!

友人リンク

猫リンク

勝手にリンク

私リスト

  • マイハイク
  • まいはてブ