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2013年3月17日 (日)

素養ゼロの私が「社会的なもののために」をお薦めしてしまう5つの理由

 「社会的なもののために」(ナカニシヤ出版)とは、私が思うに"平等と連帯の基盤たる〈社会的なもの〉の正負両面、そして再生できるかについて、その道の専門家達が知恵と知識と情熱を動員して熱く語り倒した本です。


私がこの本を知ったのはFBでした。是非読みたいと思い、絶対に読もうと心に誓ったものの、難しい専門書だろうとかなり敷居が高く感じられていました。
それがひょんな事からこの本を頂いてしまい、私如きが頂いてよいのか戸惑いつつも読み始めたのでした。

そうしたところ、大変わかりやすく、その上対談の熱気に巻き込まれ、ぐんぐん読み進んでしまったのです。

それでもどの章でも社会思想史が網羅されているというか、その知識が前提なのに何故私でも読みやすかったかと申しますと、

お薦め理由その1
脚注の出来がとてもよい。

 簡潔でわかりやすい注でした。この注にはほんと助けられました。
この注には著者や編集者の方々は大変ご苦労されたようですが、実にわかりやすかったです。
 世の中には読んだら余計にわからなくなる注とか、子供でも知っている様な事しか書いてない注とか(入門書ではなかったのに)、更にひどいのはある注は1行で、別の注は30行で内容は著者のオノレワールド炸裂(注なんですから著者の考えではなく一般的な事実を書いて欲しい・・・)という注があるのに、この本の注は見事でした。参考文献一覧だけでも読む価値のある本はありますが、この本は注だけでも読む価値があると思いました。巻末に索引付けて欲しいくらいです。


 理由その2
 わかりやすい。入門書としても社会人の勉強としても良い。


 良い本は読み手に対する間口が広いことが良くあります。専門家が自分の分野について書いたものの方が入門書よりわかりやすく、また有益だったりするのはままある事だと思います。
学生の教材として書かれる入門書はどうしても歴史を網羅しすぎるというか、枝葉の理論も書かれていて却って読むと混乱しますが、この本はポイントを絞って深く書かれているのでこの分野の思想史の流れを追いやすく理解しやすいです。
勿論勉強するには両方必要ですが、省かれたであろう枝葉の理論や他の理論の勉強は、この本の豊富な注や参考文献も手がかりにすればよりよく深く学べると思います。

理由その3
対談なのでわかりやすい。

 各章冒頭に基調説明がありそれについて対談があるので、不明な部分などはその場で説明を求められてますし、何より一つの事柄に対しても複数の人間が語るので著者一人の書くものよりわかりやすいです。
なんというか、わからない部分は違う参考書を読んでみろ受験生的感想で恐縮ですが、大変わかりやすかったことは事実です(汗)


 それで読めば今必要とされている内容だと私には思えたのです。

お薦め理由その4
今の日本について語られている。

「はじめに」で、1938年、日本に厚労省が誕生したとき、その前身が社会局という名だったにも関わらず何故「社会省」ではなく、書経からわざわざ探し出してきた馴染みのない厚生省と名付けられた事が書かれています。
もし厚生省ではなく『社会省』だったらその後の日本社会はどうなっていたのかと考えざるを得ませんでした。
勿論日本だけではなく様々な時代、様々な国での「社会的なもの」について話されるのですが、対談にもそれが日本とどう繋がっているのかという視座がはっきり感じられました。
もちろん全体としては『社会的なもの』の歩み(我ながら陳腐な言い方だわ)が議論されているのですが、その中から時に合わせ鏡のように今の日本が浮かび上がって来る事がままありました。
例えば第一章 社会的なものとしての公共サーヴィス 図書館は誰のものか?などは、納税の対価としてしか考えられていない図書館に気づかされてちょっとぎょっとしました。


お薦め理由その5 トドメ

今、社会的なものとは何なのか知っておく必要があるのではないか。

 民主党政権下で「子供手当」に何故所得制限をつけないか、またつけてはいけないのか、私は上手く説明出来ませんでした。自分の中の社会的なものに対する空白・無知をひとしお感じた瞬間でした。


 今民主党から自民党に政権が戻り、これからの日本は社会保障などの様々な社会的なものを他の諸々と一緒に捨てる可能性が高いと思います。
ならば社会的なものが長い人類の歴史の中でどのように考えられ、現在の形になったのか、今だからこそ知っておくべきだとも思います。「社会的なるもの」がどのように積み上げられてきたものなのか、日本の歴史も(第五章に詳しい)含めて、捨て去るならその成り立ちと中味をきちんと理解してから捨てるべきではないかと思います。
 
 この本はやがて出る論文の前哨戦というか序章という位置づけなのだそうです。この後に来る本は私には歯が立たないでしょう。でも誰でも読める形で今この本が出たことは大変幸運だったと思います。
勿論素養のある沢山の方々もこの本について学ぶ事が多いとおっしゃているので、素養のある方にも十分お薦めできます。
様々な人が様々な立場視点から、それぞれ汲み取ることが出来る本だと思います。

以上が素養ゼロの私がこの本をお薦めする5つの理由です。


 「社会的なもののために」(アマゾン)

Keiyamamotoさんによる『社会的なもののために』(略して社もため)ツイート

 「社会的なもののために」勉強ページ」

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