記憶力に問題があるハンター
今年の我が家はいつにも増して蜘蛛が沢山寄ってきました。特にベランダは三方向蜘蛛の巣、それも全部女郎蜘蛛の巣で怖くて怖くて。
ベランダに出る度に蜘蛛の巣から目が離せませんでした。怖いと見ちゃう(T_T)
そんな状況で意図せず蜘蛛の巣観察を続けたところ、巣によって実入りの違いが結構ある事に気がつきました。ここは虫がかかるに違いないと思った巣はそれ程でもなく、目立たない、こんな場所を虫が通るのかさえ覚束ないところに張られた巣に、一番虫がかかっていました。ある日、巨大トンボが地味な巣の主に襲われている場面に遭遇した時など、洗濯物を干さずにそのまま退却したくなりました。この巣は本当に獲物が多い。
とある朝、いつもの様に洗濯ものを抱えてベランダに出てみると、ベランダの真ん中、腰の高さに巣が張られていました。今までは手すりの外側にだけ張られていたのが遂に越境されたのです。私が蜘蛛に太刀打ちできるとはとても思えなかったので一瞬ベランダ使用を諦めたのですが、よくよく見ると、地味だけど効率の良い巣の主が見あたりません。昨日吹き荒れた強風で吹き飛ばされ、やむなくこの場所に巣を張った模様です。元の巣は目と鼻の先なのに、この蜘蛛は戻れなかったのかと思うとおかしみと余裕が湧いて来て、一番太い糸をつまみ取って、蜘蛛をぶら下げながら元の巣のすぐ側に戻してあげました。強風にも関わらず蜘蛛の巣は無傷でした。この蜘蛛、巣作りの腕も良いのです。
その翌日、件の蜘蛛は、私が置いた場所と元の巣の距離分だけ反対方向に巣を作っていました。新しい巣はこぢんまりとしながらも、既に沢山の獲物がかかっていましたので狩の腕はやはり確かなようです。でも戻るべき方角が逆・・・。この蜘蛛記憶力に問題があるのでは・・・。
それから暫くして、それ程ひどくもない風の吹いた翌日、例の蜘蛛はまた姿を消していました。ベランダを探してみましたが今度は蜘蛛の姿は見あたりません。もっと遠くに飛ばされてしまったのかもしれません。
その後、主のいる他の巣は風などで壊れるのに、主無き例の巣二つは全く壊れる事もなく、健在のまま日が経っていきました。私は半月ほど蜘蛛の帰りを待った後、何があっても壊れない立派な二つの巣を壊しました。腕はいいのに、すぐ飛ばされてお家に帰ってこられなかったあの蜘蛛に思いを馳せながら・・・
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コメント
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いろいろ頷きつつ。
邪魔にならないところなら、がんばれクモよ!
投稿: ムムリク | 2016年11月14日 (月) 08:18
ムムリク様
ベランダの蜘蛛たちも気がつけば残っているのは一匹だけになりました。
あの蜘蛛を含め、他の蜘蛛たちは冬支度の出来る場所に移動したのかとも思います。
私もそろそろ冬支度をしないと。
やりたくない~めんどくさい~夏と冬はいらない~(T_T)
投稿: ぽんず | 2016年11月15日 (火) 17:54