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2017年12月26日 (火)

悲しくて、悲しくて

 先日フォーク・クルセイダーズの「悲しくてやりきれない」を坂本冬美で聴いていたんですが(いい曲ですわ、これ)、聴いていたら昔のある事を思い出してどうしても書かずにはいられなくなってしまいました。ちょっとdisが入っているんですが、お許し下さいね^_^;

 いつの事か正確には思い出せなくて、多分90年代の後半ではないかと思うのですが、古い仏像を修理か何かして解体したところ、中から「悲」の一字が書かれた紙(布?)が見つかったのだけど、誰が何故いれたのかは判らないというニュースが新聞に出ていました。 
そしてその日だったのか翌日だったのか、その出来事を受けて「天声人語」には「何が悲しかったんだろうか」と昔の人の不満に思いを馳せる文章が載ったのでした。

 お判り頂けますか、私の衝撃。仏像と「悲」なら、それ「大悲」でしょう。慈悲の「悲」であって、嬉しい悲しい、良い事あった辛かったの「悲」ではないのです。この私の中では常識中の常識が、朝日新聞の論説委員には共有されてなかったショック。そして「何故入っていたのか判らない」という発表者側の説明を、高僧が入魂の為に書いていれさせたか、自身か家族かの病気平癒か何かを願って「悲」と書いた紙を納めた仏像を造らせ奉納したか、来歴を示すものが失われてしまったから入った理由が判らないのだという事実には思い至らず、造った誰かがこっそり自分の感情を仕込んだと解釈してしまった、(仏教徒にとっての)法外さ。

 この時私が最初に感じたのは、仏教は本当にマイナーになったんだなという事でした。お寺に行くと「大悲閣」なる建物が結構あります。また「大悲」と書かれた額もよく見かけますが、書いた人はそこに思考を結びつけられなかった。しかもこの痛い一文が指摘されることもなく紙面に載ってしまった。皆どれだけ寺社仏閣に縁遠いのか察せられようというものです。時代の流れ、趨勢というものを肌で感じた瞬間でした。

 そしてその後、「ああ、マイノリティって多分いつもこんな感じなんだ」と思いました。固有の文化なり習慣の中に(この場合仏教)、独自の文脈が存在しているとは夢にも思わず、どんな事もその人(仏教と縁のない人)の馴染んだ文脈でのみ判断するのが当たり前になっていて、調べようと考えてさえもらえない(「悲」は辞書引けば書いてある)こと。
また仏像という、崇拝対象、ある種の聖域の中に、個人の喜怒哀楽を混ぜ込む事によって、マイノリティにとっては特殊な領域が日常と同列に扱われてしまうこと。個人的にはこちらの方が堪えました。

 仏教がずっとメジャーだった日本なので、「お前達が長年拝んでいたあの仏像は、中に造った人間の愚痴が入ってたんだぜって、造った仏師にも信者にも、十分喧嘩売ってるだろ」とか、「大悲を知らないとか常識なさ過ぎ」と私が訴えても賛同者を得られそうですが、遠くの国の、馴染みのない宗教で「個人的な鬱憤を像にいれて皆で拝む」とか言われたら、真に受けて「気味の悪い宗教だ」と考える人いそうですよね。
 更に、この文章をもって宗教に無縁な人の中には「だから宗教やってる人は愚かなんだ」と決めつけそうな人は確実にいそうです。私数人思い浮かびますわ。決めつける攻撃的な人ではなくても、なんとなく愚かで度し難い(これ、仏教用語だわ)と思う人は多そうです。

 この話は二昔も前なので、さすがに今はもう少しチェックしているでしょうけど、マイナーなことって、こんな風に手から水が漏れるように話が明後日の方角に流れていってしまうんだなと、そんな事を坂本冬美を聴きながら思い出した年末なのでした。
このにえーたぎる苦しさを♪にゃーん♪^_^;


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